宇宙線ミュオンは非常に透過力があるため、建造物等を貫通します。逆に、どれぐらいの確率で宇宙線が貫通して到達し、どのぐらいの確率で通過しなかったかを測定することで、構造物の厚み等を評価することができます。これをミュオグラフィといって、ピラミッドの内部構造や火山など様々な対象で研究が進んでいます。実際に高いビルの上と下でどれぐらい宇宙線の検出頻度が違うか調べてみましょう。
下図を使って、フロアによる宇宙線到来頻度の違いがどのようになるのかを予想してみましょう。段々増えるのか減るのかといったおおまな傾向だけでなく、フロア数と到来頻度にはどんな関係式があるかまで考えてみるといいでしょう。
校舎を使って、実際に測定を行ってみましょう。各階ごとに宇宙線検出器をもっていって、到来頻度を測定しましょう。各階ごとにどれぐらいの時間測定したらいいか等みんなで相談して計画的に計測をするといいでしょう。STEP1の予想に比べてどうでしょうか・・・。
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フロアによって宇宙線の到来頻度の違いから様々な探求を深めることができます。例えばこの測定結果から各階のコンクリートの厚みを評価することができます。これは実際にコンクリートの健全性評価の方法として研究されているもので、学校のフロア間のコンクリートは十分か?みたいな研究を行っている学校があります。また、宇宙線の到来角度まで考慮すると、柱のような構造まで可視化することができ、学校の建物の柱の位置を推定した学校もあります。